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溶接ビードとは?種類・不良・除去方法(切削・転圧・圧延)をパイプ内面ビード除去装置メーカーが解説

東将精工株式会社は、電縫鋼管(パイプ)の製造ラインで発生する溶接ビード(内面ビード)を除去する装置を設計・製作しているメーカーです。切削・転圧・圧延の3方式を自社でそろえ、一般鋼管からステンレス管まで、お客様の造管機とパイプサイズに合わせた装置をご提案しています。

このページでは、溶接ビードの基礎知識から、パイプ内面ビードを除去する理由・方法・方式の選び方までを解説します。

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溶接ビードとは

溶接ビード

溶接ビード

溶接ビード(weld bead)とは、溶接によって母材と溶加材が溶けて固まり、溶接線に沿って盛り上がって残る金属の痕のことです。「ビード溶接」「溶接のビード」と呼ばれることもありますが、いずれも同じものを指します。ビードの幅・高さ・うろこ模様の均一さは、溶接の溶け込みや作業の良し悪しを外観から判断する手がかりになります。

一般的に、パイプ製造時にはロール成形後に高周波溶接により、つなぎ合わせを行います。
その際に発生する溶接痕の盛り上がりのことを溶接ビードと呼びます。

溶接痕をそのままにしておくと、パイプ完成時にパイプ内部が曲面ではなく、一部金属の盛り上がった状態になります。

パイプの利用用途によっては、特に問題ないケースもありますが、パイプ内面もきれいな曲面にしなければならないような用途では、溶接ビードを除去する作業が必要になります。


溶接ビードの種類

溶接ビードは、見る視点によっていくつかの分け方があります。

分け方種類概要
運棒(トーチの動かし方)ストリンガービードトーチを左右に振らず、直線的に進めてつくるビード。幅が狭く、入熱が少ない。
ウィービングビードトーチを左右に振りながら進めてつくるビード。幅が広く、開先を埋めるときなどに使う。
継手の形突合せ溶接のビード(余盛)板と板を突き合わせた溶接部に盛り上がる部分。
すみ肉溶接のビード(脚長・のど厚)T字や重ね継手の角に三角形状につく部分。
パイプ(電縫鋼管)の場合外面ビードパイプ外側の溶接線に残るビード。造管ライン上で外面トリマーにより除去するのが一般的。
内面ビードパイプ内側の溶接線に沿って縦に走るビード。管の中に工具を入れて処理する必要があり、専用の内面ビード除去装置(トリマー)が使われる。

当社が扱うのは、このうち電縫鋼管の内面ビードです。


きれいな溶接ビードと不良ビード

良い溶接ビードは、幅と高さが一定で、うろこ模様が均一に並び、母材との境目がなめらかにつながっています。逆に、以下のような状態は溶接不良のサインです。

不良の名称現象主な原因
オーバーラップ溶けた金属が母材に溶け込まず、上に重なった状態電流不足、速度が遅い、トーチ角度の不適
アンダーカットビードの縁が母材をえぐり、溝になった状態電流過大、速度が速い、トーチ角度の不適
ピット・ブローホールビード表面や内部にできる小さな穴母材の油・さび・水分、シールドガス不足
余盛不足ビードの盛り上がりが足りず、母材面より低い溶加材不足、速度が速い
割れビードや母材表面にひびが入る急冷、拘束応力、材質の不適合

電縫鋼管の内面ビードでも、溶接状態が不安定だとビード高さがばらつき、後工程の除去(ビードカット)で刃物の欠けや切削負荷の増大、取り残しといった問題につながります。内面ビードの切削状態を数値で「見える化」したい場合は、ビードコンディショナーをご覧ください。


電縫鋼管の製造方法とパイプ内面ビード

鋼管製造プロセスの中で最も一般的な方法の1つに電縫鋼管があります。 電縫鋼管は、鋼板を円筒状に巻きその端を溶接して1本の管(パイプ)にします。パイプの内部に縦に走る溶接線の事を内面ビードと呼んでいます。 この接合は、高周波電流を使用して行われます。高周波電流は鋼板の端部を加熱し、それらを溶接するのに使用されます。このため、この製造プロセスは「電縫」と呼ばれます。電縫鋼管は、その製造プロセスの効率性と比較的低コストのため、一般的な建築、パイプライン、構造用途、自動車製造などで広く使用されています。さまざまな径と厚さの電縫鋼管が市場で利用可能であり、需要に合わせて製造できるため、多くの異なる用途に適しています。

溶接ビード(内面)除去の流れ

溶接ビード(内面)除去の流れ内面ビード切削装置

パイプ内の溶接ビードを除去する理由

流体の流れの妨げの除去
パイプ内に溶接ビードが存在すると、流体(液体またはガス)の通り道を妨げる可能性があります。これは流体の流れを阻害し、効率を低下させることがあります。特に、高い流速や粘性の流体を輸送する場合に問題となります。溶接ビードを取り除くことにより、スムーズな流体の流れを確保できます。

圧力損失の軽減
パイプ内の溶接ビードが流体の流れを妨げると、圧力損失が生じる可能性があります。これは、パイプ内の圧力が必要な値に達しない場合や、エネルギー効率が低下する場合に問題となります。溶接ビードを取り除くことで、圧力損失を軽減し、システムの効率を向上させることができます。

清潔さと衛生性の確保
特に食品、薬品、医療などの産業では、パイプ内の溶接ビードが微生物や異物のたまり場所となり、清潔さや衛生性に悪影響を及ぼす可能性があります。溶接ビードを取り除くことにより、清潔で衛生的な環境を維持できます。

検査と保守の容易さ
パイプ内に溶接ビードがあると、定期的な検査や保守作業が難しくなります。溶接ビードを取り除くことで、パイプ内部の視認性が向上し、必要な保守作業や検査が容易に行えるようになります。

溶接品質の向上
溶接ビードが不均一であったり、欠陥がある場合、それが強度や耐久性に悪影響を及ぼす可能性があります。溶接ビードを取り除いて再度溶接を行うことで、溶接品質を向上させ、安全性を確保できます。

したがって、パイプ内の溶接ビードを取り除くことは、流体輸送システムや産業プロセスの効率性、安全性、品質の向上に繋がります。

溶接ビードを残す場合もある
一方で、構造用の鋼管など、内面の平滑さが要求されない用途では、ビードを残したまま使用されることもあります。ビードを削りすぎると溶接部の板厚が不足し強度低下につながるため、除去する場合は除去量の管理が重要です。


溶接ビードを除去する方法(切削・転圧・圧延の比較)

パイプ内の溶接ビードを除去する方法は、パイプの材質やサイズ、溶接ビードの形状、除去作業場の状況によって変わります。いくつか方法がありますが、以下が一般的な方法です。
 ①グラインダーを使って研削する
 ②内部に装置を入れビードを切削または転圧する(内面ビード除去装置)

①のグラインダー研削は、短尺のパイプや製缶品の手作業に向きますが、長尺のパイプ内面や造管ライン上での連続処理には向きません。電縫鋼管の製造ラインでは②の内面ビード除去装置を用い、方式は大きく切削・転圧・圧延の3つに分かれます。

方式処理のしかた切屑仕上がり向いている用途当社製品
切削(ビードカット)管内に入れた刃物(トリマー)で内面ビードを削り取る出る(ビードチョッパーで短く切断し排出)内面を平滑な曲面に仕上げられる内面精度が求められるパイプ全般。油圧式・機械式・ソリッド式があり、小径から大径まで対応ビード切削装置
転圧ローラーで内面ビードを押しつぶす出ないビードは潰れるが、完全な平滑面にはならない「ビードが潰れていれば良い」用途ビード転圧装置
圧延(成形圧延)成形ロールで内面ビードを圧延して平らにする出ない切屑を出さずにきれいな仕上げ精度が得られる切屑を嫌い、かつ仕上がり精度も求める用途ビード圧延装置
オフライン処理製造済みのパイプを後工程で処理する方式による方式による造管ライン上で処理できない場合、既存在庫のパイプビードオフライン装置

どの方式が適しているかは、パイプ径・板厚・材質・造管速度・求める仕上がりによって変わります。製造条件をお知らせいただければ、適した方式をご提案します。


パイプ鋼管内のビードカット時の問題点

ビードカットをする際に、切削により出てくるビード屑がその後の工程に悪影響を及ぼす場合があります。ビードカットした屑がそのまま長細い屑としてパイプ内部に残存してしまい、それを取り除く作業が必要になります。

管内に切削されたビードの取り残しがある場合エアー又はウォーターブローします。それでも飛ばされない場合は人の手によって行われるため、抜き取りに時間が掛かり、安全性にも欠けます。

また、定尺切断時にエンドレス状のビードが残ることで発生する問題もあります。当社では切削したビードを適切な長さに切断するビードチョッパーを組み合わせ、エアーや水による排出をしやすくしています。切断長さは造管速度や排出方法に合わせて調整できます。

弊社では、ビードカット屑の処理を含め、より効率的に出来ないかという視点で、様々なアプローチによるビード除去装置を開発いたしました。


用途に合わせた製品紹介

  • パイプ内溶接ビードをなくしたい

    溶接ビードを
    効率的に切削除去
    したい方へ

    解決

    溶接ビード
    切削装置くわしくはこちら

  • パイプ内溶接ビードをなくしたい

    単純に
    ビードが潰れて
    いれば良いという方へ

    解決

    溶接ビード
    転圧装置くわしくはこちら

  • パイプ内溶接ビードをなくしたい

    切屑を出さずに
    綺麗な仕上げ精度を

    お求めの方へ

    解決

    溶接ビード
    圧延装置くわしくはこちら

このほか、製造済みパイプを後工程で処理するビードオフライン装置、切削状態を見える化するビードコンディショナー、インピーダーコア・関連製品も取り扱っています。


溶接ビードに関するよくある質問

溶接ビードの基礎と、パイプ内面ビードの除去についてよくいただくご質問をまとめました。内面ビード切削装置そのものに関するご質問(油圧式・機械式・ソリッド式の違い、サイズ変更時の対応、刃物寿命など)はビード切削装置のページをご覧ください。

溶接ビードとは何ですか?

溶接で母材を溶かして接合したときに、溶接線に沿って盛り上がって残る金属の痕のことです。「ビード溶接」と呼ばれることもありますが、同じものを指します。英語ではweld bead(ウェルドビード)です。

溶接ビードは残した方がいいですか、削った方がいいですか?

用途によります。構造物では余盛(ビードの盛り上がり)が強度に寄与するため残すのが一般的です。一方、流体を流す配管や、衛生性が求められる食品・医薬・医療用のパイプ、内面に部品を通す管などでは、ビードが流れや清掃の妨げになるため除去します。削りすぎは板厚不足による強度低下につながるので、除去量の管理が必要です。

きれいな溶接ビードと悪い溶接ビードはどう見分けますか?

良いビードは幅と高さが一定で、うろこ模様が均一に並び、母材との境目がなめらかにつながっています。悪いビードは、母材に溶け込まず重なったオーバーラップ、ビードの縁が母材をえぐるアンダーカット、表面の小穴(ピット)、余盛不足、割れなどが見られます。

パイプの「内面ビード」とは何ですか?

鋼板を丸めて端部を高周波溶接する電縫鋼管(ERW管)で、パイプの内側に縦方向に走る溶接ビードのことです。外面のビードは造管ライン上で削りやすいのに対し、内面ビードは管の中に工具を入れて処理する必要があるため、専用の内面ビード除去装置(トリマー)が使われます。

パイプ内面の溶接ビードを除去する方法にはどんなものがありますか?

大きく分けて、①刃物で削り取る「切削」、②ローラーで押しつぶす「転圧」、③成形ロールで圧延して平らにする「圧延」の3方式があります。切屑が出るかどうか、仕上がり精度、対応できるパイプ径が異なるため、パイプの用途と生産条件で選びます(詳しくは本ページの比較表をご覧ください)。

切削・転圧・圧延、どの方式を選べばよいですか?

内面をきれいな曲面に仕上げたい場合は切削、ビードが潰れていれば良い用途は転圧、切屑を出さずに仕上げ精度も求める場合は圧延が目安です。パイプ径・板厚・材質・造管速度によって適用できる方式が変わるため、製造条件をお知らせいただければ適した方式をご提案します。

どのくらいのパイプ径まで対応できますか?

小径管から大径管まで対応しています。目安として、一般鋼管では最小内径φ7.6mmから、大径ではφ600mm程度まで対応可能です。実際の適用可否は板厚・材質・溶接条件・造管速度・ワークコイル位置・冷却条件などによって異なります。

ステンレス管の内面ビードも処理できますか?

はい、ステンレス管にも対応しています。一般鋼管とは切削条件や適用可能な最小内径が異なるため、材質・パイプ径・板厚・造管速度を確認したうえで仕様を検討します。

切削したビードの切屑がパイプ内に残ってしまいます。対策はありますか?

ビードチョッパーを組み合わせ、切削したビードを適切な長さに切断することで、エアーや水での排出をしやすくできます。切断長さは造管速度や排出方法に合わせて調整できます。切屑そのものを出したくない場合は、転圧方式や圧延方式への切り替えもご相談ください。

内面ビードが安定して切削できない、刃物がすぐ欠ける場合も相談できますか?

はい。内面ビード切削はトリマーだけでなく、溶接状態・スクイズ条件・造管速度・冷却条件・刃物など複数の要素が関係します。「刃物が欠ける」「ビード高さが安定しない」「切削負荷が大きい」といった現象をお知らせいただければ、設備だけでなく造管条件を含めて原因を検討します。切削負荷をリアルタイムに数値・グラフで確認できる「ビードコンディショナー」も用意しています。

すでに製造したパイプの内面ビードも除去できますか?

はい。造管ライン上で処理するオンライン方式とは別に、製造済みパイプの内面ビードを後工程で除去する「オフライン装置」があります。パイプ径・長さ・材質・ビード形状を確認して仕様を検討します。

既存の造管ライン(他社製を含む)にも取り付けられますか?

ご相談いただけます。現在使用されている造管機の構造やスペース、溶接位置、パイプサイズを確認し、設置方法を検討します。まずは現在の造管ラインの状況をお知らせください。

見積り・検討にはどのような情報が必要ですか?

パイプ外径・内径、板厚、材質、造管速度、溶接方式、ビード形状・ビード高さ、現在使用している造管機の仕様、現在発生している問題、希望する仕上がり状態があると具体的に検討できます。図面や写真があればあわせてお送りください。お預かりした技術情報は秘密保持に配慮して取り扱います。

まずは相談だけでも大丈夫ですか?

もちろん可能です。「現在のビード処理を改善したい」「このサイズに対応できるか知りたい」「どの方式を選べばよいかわからない」といった段階でも構いません。


溶接ビード(内面ビード)の除去でお困りの方は、パイプサイズ・材質・現在のお困りごとをお知らせください。適した方式を一緒に検討いたします。

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